アラサー看護師”バセドウ病”になる

私は東京近郊に住んでいます。 看護師をしていましたが、バセドウ病発症後に退職しました。 バセドウ病発症後、同じ病気で戦っている方のブログで調べることが多く、 働き盛りで病気になるってどういうこと?私のこの症状ってなに? 結婚早々の病気をどう乗り越える?という私の疑問を、みなさんと 共有できたらな…と思い、ブログに綴ってみます。

つたない私の看護観 Part2

「患者の気持ちは100%理解できない!」

 

 私が病気になったとき、夫をはじめとする家族に言われて地味に傷付いたのは「看護師さんだから、先生が何言ってるかわかっていいじゃん。自分がどうなるかわかってよかったね」という言葉でした。でも、私は1人の人間として初めて「バセドウ病の患者」になったのです。一般病態はわかっても、私の病態が今後どうなるかなんてわかりません。主治医の話を聞いて理解できるところは多いけど、「どうして私が?なんでこんなにつらいの?」そんな思いばかりが頭をよぎり、医師の話を1回で100%は理解できませんでした。ましてや、患者が今まさに人生の大きなターニングポイントとなる「病気の告知」をされているのに、診察室の後ろでは看護師や事務職員の笑い話まで聞こえるのです。

 

 同業者なので私自身、患者さんがいてもプライベートの話をしたことも、患者さんが同業者だと関わらないようにしようと思ったこともあります。でも患者になると、「同業者とかそんなの言ってられない」というのが私の感想です。

 

 

 「この人きっとこう思っているだろうな」という仮定があったとしても、患者の気持ちは実際には違うこともあります。入院してホッとする人もいれば、入院するのが苦痛な人もいます。実際の気持ちはどうであれ「病気と闘うために入院してきている」そのことを念頭に置くとその人を応援したくなると思いませんか?

 

 「24時間毎日ずっと体や心の傷と、嫌でも向き合わなければいけない人」それが患者なんだと思います。そしてその苦しみは、味わったことのある人にしかわからないものです。それでも、看護師という存在に助けられることも多いのです。患者の気持ちのすべてを理解できないのだから、少なくとも患者の気持ちを引き出してほしい、そしてそれを看護として生かしてほしい、と私は思います。

 

 私は上司に恵まれていたので、「甲状腺機能亢進症」とわかったその日から退職する日まで、何かあればすぐに上司に話しました。私の上司はもちろん看護師です。私と夫だけでは受け止めきれない病状を共有してもらいました。そしてそっと支え続けてもらったのです。あの「絶対大丈夫だから。あなたのやりたいようにしていいから。私ができることはなんでもするから」と言ってもらった安心感と言ったら、今でも目頭が熱くなります。